最近の子 北野勇作
えっ、なにそれ? というか、アカンって、そんなん勝手に持ってきたら。いや、何言うてんの。意味わからへん。かわいそうとか、そんなんちゃうやろ。そんなことより、ちゃんと仕事してもらわんと。警備やで。なっ、警備。人間を警備すんねん。そんなもん守ってどうすんねん。いやいや、飼われへん飼われへん、飼われへんって。もとのとこ戻してこいや。そら、雛やけども。いや、雛でもいっしょやがな。だから、こっそりとか無理やから。ほんまアカンって。班長にめっちゃ怒られるし、班長もめっちゃ怒られるし、ヘタしたら班長の首とぶで。ほんまほんま、これ、ほんまやで。ほんまにとぶねんで。見たことあるか、首とぶとこ。えげつないでえ、ほんま。なっ、見たないやろ、そんなもん。そらそや、誰かて見たないわ。えっ、見たい? 見たいの? マジで? 自分、アホやろ。アホすぎるわ。いや、もうええから、それ戻してこいって。いやいや、みんなやってます、なわけないがな。そんなことするやつ見たことないわ。えっ、ほんまに? いや、信じられんなあ。ほんまかいな。なんかもう、最近の子のすることはわからんなあ。なんやねんそれ。はいはい、そらもう、そこまで言うんやったら自己責任で勝手にやったらええけどな。うん、ええねんけど、怒られるとかより、ほんまに危ないで、それ。実際、ケツから火ぃ出しよるねんで。まともに食ろたら黒焦げに、えっ、何? うわっ、あっちのやつ、もう真っ黒けになってるーっ。
北野勇作
小説を書いてます。
大喜利に参加させてもらいます。